住所録の取得 プラグイン
非推奨プラグイン (Cordova 9.0 以降)
テスト環境 ( バージョン番号 ) : 3.0.1
このプラグインの詳細は、 こちらの原文 ( GitHub ) をご確認ください。
このプラグインでは、グローバルオブジェクト 「 navigator.contacts
」 を使用し、端末側の住所録のデータベースにアクセスします。
このオブジェクトは、グローバルスコープ ( navigator
) に属していますが、使用できるのは、deviceready
イベントの発火後になります。
住所録データの取得・利用には、個人情報保護の観点から、細心の注意が必要です。住所録データの取り扱い方法と第三者への情報提供に関しては、個人情報の取り扱いポリシーの策定時に議論されるべき問題です。個人情報の中でも、とりわけ住所録の情報は、交友関係などの個人のプライバシーに深く関わることから、その取り扱いには、特に注意が求められます。そのため、アプリのプライバシーに関するポリシーの策定に加え、アプリが住所録にアクセスまたは利用する場合には、事前にユーザーへの通知および許諾を得る必要があります。端末のオペレーティング システム側でこの通知および許諾の要求を行ってない場合には、開発者側で改善する必要があります。また、ユーザーへの通知および許諾の要求を行う場合には、必ず、個人情報の取り扱いに関するポリシーの開示および使用方法に関する同意の意思表示を求める必要があります ( 許可する、または、許可しない のように、明示的に判断できる必要があります )。また、住所録へアクセスする前に、ユーザーへの通知および許諾を得ることを配布の条件とする、アプリのマーケットプレースも一部に存在します。住所録データの取り扱いの説明に関しては、ユーザーの不安や困惑を取り除くため、内容を明快に理解できるよう、考慮が求められます。詳細は、プライバシーガイド をご確認ください。
廃止通知
このプラグインは廃止予定です。 このプラグインは、Cordova 開発コミュニティによって、これ以上の作業は行われません。このプラグインは引き続き使用できますが、問題が発生しても Cordova 開発コミュニティでの修正は行われません。
プラグイン ID
プラグインの追加方法 ( Monaca 上での処理 )
このプラグインを使用する場合には、Monaca クラウド IDE の [ Cordova プラグインの管理 ] 上で、Contacts
プラグインを有効にします。
後方互換
iOS 特有の動作
iOS 10以降、プライバシーに関連するデータにアクセスする場合は、 info.plist
に使用の説明を設定することが必須になります。アクセスを許可するようにシステムに指示すると、この使用の説明はアクセス許可ダイアログボックスの一部として表示されますが、使用の説明を入力しない場合は、ダイアログが表示される前にアプリが強制終了します。また、Apple は個人データにアクセスするアプリをリジェクトしますが、使用の説明は提供していません。
このプラグインでは、次の使用の説明が必要になります。
NSContactsUsageDescription
では、アプリがユーザーの連絡先にアクセスする理由を記述します。
これらの設定を info.plist
に追加するには、config.xml
ファイルの <edit-config>
タグに以下のように設定します。
API の解説
navigator.contacts
メソッド
navigator.contacts.create
navigator.contacts.find
navigator.contacts.pickContact
オブジェクト
Contact
ContactName
ContactField
ContactAddress
ContactOrganization
ContactFindOptions
ContactError
ContactFieldType
navigator.contacts.create
navigator.contacts.create
メソッドは、同期的に処理され、Contact
オブジェクトを返します。このメソッドは、連絡先オブジェクトを端末の連絡先データベースに保持しません。保持したい場合は、Contact.save
メソッドを呼び出す必要があります。
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
navigator.contacts.find
navigator.contacts.find
メソッドは、非同期的に実行され、住所録データベースへの問い合わせ、および、その結果として、 Contact
オブジェクト群を配列に入れ、返します。また、その返ってきたオブジェクトは、*contactSuccess* パラメーターに指定されている contactSuccess
コールバック関数に渡されます。
contactFields パラメーターを使用して、検索時に使用する検索項目を指定します。*contactFields* のパラメーターに、空の文字列を使用することはできません。また、その場合、結果として、ContactError.INVALID_ARGUMENT_ERROR
が返ってきます。 contactFields の値に、 "*"
を入力した場合、住所録のすべての項目を検索します。
住所録データベースへの問い合わせ時に、*contactFindOptions.filter* の文字列を使用すれば、結果を絞り込めます。この値を使用した場合、*contactFields* パラメーター で指定した項目に対して、追加の絞り込み条件 ( 大・小文字の区別なし、部分一致 ) が適用されます。指定した項目内で一致する 内容がある 場合には、その住所録を返します。また、 contactFindOptions.desiredFields パラメーターを使用すれば、返ってくる住所録のプロパティを指定できます。
contactFields と contactFindOptions.desiredFields の両方でサポートされる値は、ContactFieldType <6.5_contactfieldtype> オブジェクトで列挙されます。
パラメーター
contactFields: 検索時に使用する、住所録の検索項目です。 *(DOMString[])* [ 必須 ]
contactSuccess: 成功時のコールバックです。Contactオブジェクト群が入れられた配列( オブジェクトはデータベースから取得) が渡されます。 [ 必須 ]
contactError: 失敗時のコールバックです。エラー発生時に実行されます。 [ 任意 ]
contactFindOptions: navigator.contactsで使用する絞り込み検索オプション。 [任意]
。使用するキーを以下に示します。
filter: 検索時に使用する文字列です。 (DOMString) (デフォルトでは
\"\"
)multiple: 複数の navigator.contactsを、検索結果として返すようにするための真偽値を設定します。(Boolean) ( デフォルトでは
false
)desiredFields: 返ってくる住所録の項目を指定します。指定した場合、結果とし返される
Contact
オブジェクトには、指定された項目の値のみ格納されています。(DOMString[]) [ 任意 ]hasPhoneNumber( Android 専用 ) : 電話番号が入力されている住所録のみを、検索結果として返します。(Boolean) ( デフォルトでは
false
)
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
navigator.contacts.pickContact
navigator.contacts.pickContact
メソッドを使用すると、住所録の一覧が表示され、その中から対象の住所録を選択できます。また、結果として返ってきたオブジェクトは、*contactSuccess* パラメーターに指定されている contactSuccess
コールバック関数に渡されます。
パラメーター
contactSuccess: 成功時のコールバックです。Contact オブジェクトが1 つ渡されます。[ 必須 ]
contactError: 失敗時のコールバックです。エラー発生時に実行されます。 [ 任意 ]
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
Android 特有の動作
このプラグインは連絡先を選択するための外部アクティビティを起動します。 これがアプリに与える影響については、 Android Lifecycle Guide を参照してください。 プラグインがその結果を resume
イベントに返す場合、返されたオブジェクトをまず Contact
オブジェクトでラップしてから使用する必要があります。 次に例を示します。
Contact
Contact
オブジェクトは、住所録の情報を処理するときに使用されます。住所録は、作成・保存・削除できます ( 端末側の住所録用のデータベース上 )。また、住所録は、navigator.contacts.find
を使用して、データベース上で検索 ( retrieve、個々または一括で取得可 ) できます。
ここで紹介している住所録の項目は、一部のプラットフォームでは使用できません。各プラットフォームのサポート状況に関しては、各 *プラットフォーム特有の動作* の記載内容をご確認ください。
プロパティ
id: グローバルな一意の識別子です。 (DOMString)
displayName: Contact の名称です ( 各 Contact に設定)。ユーザーに対して表示する場合に使用できます。 (DOMString)
name: 個人の名に関する、すべての要素を格納するオブジェクトです。(ContactName)
nickname: 住所録で使用するニックネームです。 (DOMString)
phoneNumbers: 電話番号を格納する配列です。 (ContactField[])
emails: メールアドレスを格納する配列です。 (ContactField[])
addresses: 住所を格納する配列です。 (ContactAddress[])
ims: IM ( インスタント メッセンジャー )アドレスを格納する配列です。 (ContactField[])
organizations: 所属組織名を格納する配列です。(ContactOrganization[])
birthday: 誕生日です。 (Date)
note: メモ書きです。 (DOMString)
photos: 写真を格納する配列です。 (ContactField[])
categories: ユーザー定義のカテゴリーを格納する配列です。(ContactField[])
urls: Web ページのリンク先を格納する配列です。(ContactField[])
メソッド
clone: 呼び出し元 ( コピー元 ) のオブジェクトのディープコピー (deep copy ) である、新規の
Contact
オブジェクトを返します。id
プロパティはnull
に設定されています。remove:住所録データベースから、対象の住所録を削除します。削除が失敗した場合は、
ContactError
オブジェクトを使用して、失敗時のコールバック関数が呼び出されます。save: 新しい住所録を、住所録データベースに保存します。同じid を持つ住所録が存在する場合には、既存の住所録を更新します。
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
Save 例
Clone 例
Remove 例
保存した連絡先から電話番号を削除する例
Android 2.X 特有の動作
categories: Android 2.X端末では、このプロパティは使用できません。
null
を返します。
iOS 特有の動作
displayName: iOS では使用できません。
ContactName
を指定しない場合、null
を返します。指定した場合、連結させた名前 (composite name )、*nickname*、""
のいづれかを返します。birthday: JavaScript の
Date
オブジェクトとして取り扱う必要があります ( 入力時・取得時の両方 )。photos: アプリの tmp ディレクトリーに保存された画像を指す FileURL を返します。なお、tmpディレクトリーに置かれたコンテンツは、アプリを閉じたときに削除されます。
categories: 使用できません。
null
を返します。
ContactAddress
ContactAddress
オブジェクトを使用して、住所録中の 「 住所 」 に関連したプロパティ群を格納します。1 つの Contact
オブジェクトには、ContactAddress[]
の配列を使用して、複数の住所を格納できます。
プロパティ
pref: 最優先にする値を格納する
ContactAddress
であれば、true
に設定します。(boolean)type: 項目のタイプを示した文字列です。例 : home ( 自宅用 )(DOMString)
formatted: 表示用の住所です。 (DOMString)
streetAddress: 番地です。 (DOMString)
locality: 市区町村です。 (DOMString)
region: 都道府県です。 (DOMString)
postalCode: 郵便番号です。 (DOMString)
country: 国です (DOMString)
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
Android 2.X 特有の動作
pref: Android 2.X 端末では使用できず、
false
を返します。
iOS 特有の動作
pref: iOS 端末では使用できず、
false
を返します。formatted: 現在、使用できません。
ContactError
エラーの発生時には、contactError
コールバック関数から、ContactError
オブジェクトが返されます。
プロパティ
code: 次のエラーコードのいずれか
定数
ContactError.UNKNOWN_ERROR
(code 0)ContactError.INVALID_ARGUMENT_ERROR
(code 1)ContactError.TIMEOUT_ERROR
(code 2)ContactError.PENDING_OPERATION_ERROR
(code 3)ContactError.IO_ERROR
(code 4)ContactError.NOT_SUPPORTED_ERROR
(code 5)ContactError.OPERATION_CANCELLED_ERROR
(code 6)ContactError.PERMISSION_DENIED_ERROR
(code 20)
ContactField
ContactField
オブジェクトは、再利用可能で、汎用的なコンポーネントです。住所録の各項目の値を格納するために使用します。各 ContactField
オブジェクトには、value
、type
、pref
プロパティを 1 つずつ格納できます。ContactField[]
の配列を使用して、電話番号・メールアドレスのような、複数登録する必要があるプロパティを格納します。
ContactField
オブジェクトの type 属性に関しては、多くの場合、事前に定義された値はありません。*type* に設定する値として、たとえば、電話番号に関しては、*home*、*work*、*mobile*、 iPhone があります。または、特定のプラットフォームで使用されている住所録データベースがサポートしている、他の値も設定できます。ただし、Contact
の photos 項目に関しては、*type* 属性を使用して、返される画像の形式を設定します。 value 属性に、写真の画像の URL を格納する場合には url を、Base64 形式の画像の文字列を格納する場合には base64 を設定します。
プロパティ
type: 項目のタイプを示した文字列です。例 : home ( 自宅用 )(DOMString)
value: 項目の値です。例 : 電話番号、*メールアドレス*(DOMString)
pref: 最優先にする値を格納する
ContactField
であれば、true
に設定します。 (boolean)
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
Android 特有の動作
pref: 使用できません。
false
を返します。
iOS 特有の動作
pref: 使用できません。
false
を返します。
ContactName
Contact
オブジェクトが保持する 「 名前 」 に関する、さまざまな情報を格納します。
プロパティ
formatted: フルネームです。 (DOMString)
familyName: 姓です。 (DOMString)
givenName: 名です。 (DOMString)
middleName: ミドルネームです。 (DOMString)
honorificPrefix: 接頭敬称です。例 : Mr. 、Dr. (DOMString)
honorificSuffix: 接尾敬称です。例 Esq. (DOMString)
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
Android 特有の動作
formatted: 部分的に使用できますが、読み取り専用です。
honorificPrefix
、givenName
、middleName
、familyName
、honorificSuffix
を連結して返します。
iOS 特有の動作
formatted: 部分的に使用できます。読み取り専用の iOS の連結名 (Composite Name ) を返します。
ContactOrganization
ContactOrganization
オブジェクトを使用して、組織に関するプロパティを格納します。 Contact
オブジェクトは、単数または複数の ContactOrganization
オブジェクトを配列形式で保持します。
プロパティ
pref: 最優先にする値を格納する
ContactOrganization
であれば、true
に設定します。 (boolean)type: 項目のタイプを示した文字列です。例 : home ( 自宅用 )(DOMString)
name: 組織名です。 (DOMString)
department: 所属する部署名です。 (DOMString)
title: 役職名です。 (DOMString)
サポート対象のプラットフォーム
Android
iOS
例
Android 2.X 特有の動作
pref: Android 2.X 端末では使用できず、
false
を返します.
iOS 特有の動作
pref: iOS 端末では使用できず、
false
を返します。type: iOS 端末では使用できず、
null
を返します。name: 部分的に使用できます。最初の組織名は、iOS の
kABPersonOrganizationProperty 項目に格納されます。
department: 部分的に使用できます。最初の部署名は、iOS の
kABPersonDepartmentProperty 項目に格納されます。
title: 部分的に使用できます。1 つ目の役職は、iOS の
kABPersonJobTitleProperty 項目に格納されます。
ContactFieldType
ContactFieldType
オブジェクトは、「 項目 」 ( fieldType ) の集合体です。 たとえば、複数の phoneNumbers/電話番号
または emails/メールアドレス
をまとめるときに使用します。また、このオブジェクトは、contacts.find()
の使用時、検索対象の項目 ( contactFields
を参照のこと ) として、または、検索結果として返される項目の指定 ( contactFindOptions.desiredFields
を参照のこと ) に使用できます。
navigator.contacts.fieldType.addresses
navigator.contacts.fieldType.birthday
navigator.contacts.fieldType.categories
navigator.contacts.fieldType.country
navigator.contacts.fieldType.department
navigator.contacts.fieldType.displayName
navigator.contacts.fieldType.emails
navigator.contacts.fieldType.familyName
navigator.contacts.fieldType.formatted
navigator.contacts.fieldType.givenName
navigator.contacts.fieldType.honorificPrefix
navigator.contacts.fieldType.honorificSuffix
navigator.contacts.fieldType.id
navigator.contacts.fieldType.ims
navigator.contacts.fieldType.locality
navigator.contacts.fieldType.middleName
navigator.contacts.fieldType.name
navigator.contacts.fieldType.nickname
navigator.contacts.fieldType.note
navigator.contacts.fieldType.organizations
navigator.contacts.fieldType.phoneNumbers
navigator.contacts.fieldType.photos
navigator.contacts.fieldType.postalCode
navigator.contacts.fieldType.region
navigator.contacts.fieldType.streetAddress
navigator.contacts.fieldType.title
navigator.contacts.fieldType.urls
関連項目:
最終更新