iOS アプリのビルド

2024年4月以降、App Store に送信されるiOS アプリは、iOS 17 SDK 以降をサポートする必要があります。詳細は、Submitting iOS Apps to the App Store を参照していください。

Monacaで開発するアプリを AppStore に公開するには、Cordova 12 以降のプロジェクトを使用する必要があります。

事前準備

事前準備として、次の内容を行います。

ビルドの種類

Monaca では、次のビルド種類をサポートしています。

ビルドの種類      

説明

要件

( 準備するアイテム )

インストール方法

デバッグ

開発用の端末にインストールするためのアプリをビルドします。

  • 開発用証明書

  • 開発用 プロビジョニング プロファイル

Ad Hoc

限られたグループにインストールするためのアプリをビルドします。

  • 配布用証明書

  • 配布用 ( Ad Hoc ) プロビジョニング プロファイル

  • Apple Configurator 2 ( Mac のみ )

  • QR コード

In-house

App Store 経由以外で配布するためのアプリをビルドします。

  • 配布用証明書

  • 配布用 ( In-house ) プロビジョニング プロファイル

  • Apple Configurator 2 ( Mac のみ )

  • QR コード

リリース

App Store 経由で配布するためのアプリをビルドします。

  • 配布用証明書

  • 配布用 ( App Store ) プロビジョニング プロファイル

  • App Store で入手

シミュレーター

シミュレータで動作確認するためのビルドです。(ターゲットはiPhoneとなります)

  • 特になし

Ad Hoc 配布とは、App Store を経由せずに、アプリを配布するための仕組みです ( 評価配布用 )。Ad Hoc プロビジョニング プロファイルを使ってビルドする、評価用アプリは、現在、最大 100 台 まで、Ad Hoc 形式で配布できます。ただし、アプリの配布先は、開発関係者に限定されます。

ステップ 1 : Monaca 上での iOS アプリ設定

iOS アプリの設定

  1. Monaca クラウド IDE のメニューから、設定 → iOS アプリ設定 を選択します。

  2. アプリに関する次の情報を入力します。

    アプリケーション名       

    アプリの名前を入力します。マーケット上などで表示されます。

    App ID

    アプリを識別する一意の ID です。逆ドメイン形式を推奨します ( mobi.monaca.appname など )。英数字とピリオドのみ使用できます ( ピリオドは最低限 1 つ使用 )。各節 ( 各レベルのドメイン ) はピリオドで区切り、各節の先頭には英字を使用します。

    バージョン

    アプリのバージョン番号です。App Store Connect 経由で、アプリをアップロードするとき ( 配布する場合 ) に必要となります。3 つの節を、それぞれドットで区切ります ( 例 : 1.10.2 )。各節の数字には、[0-99] を使用します。

Monaca のアプリ設定では、App ID にアスタリスク (*) を使用することはできません。使用した場合、ビルドは失敗します。また、この App ID には Apple Developer Program に登録した App ID と同じ ID を使用します。詳細は、 App ID の登録 をご確認ください。

3. 設定後、保存する をクリックします。

現在、iOS の [ App ID ] または Android の [ パッケージ名 ] のいずれかを変更すると、両方とも同じ名前に更新されます。それぞれに別の名を設定する場合には、 App ID ( iOS 側 ) と パッケージ名 ( Android 側 ) にそれぞれ異なる値を設定するには? をご確認ください。

iOS のビルド設定

  1. Monaca クラウド IDE のメニューから、設定 → iOS ビルド設定 を選択します。

2. 秘密鍵を作成します。または、既存の秘密鍵がある場合には、インポートもできます。ここでは、新規に秘密鍵を作成します。秘密鍵と CSR の生成 ボタンをクリックして、ユーザー名 ( 秘密鍵に付ける名前 ) ・ メールアドレス ( Apple ID ) ・ 国コードを入力します。

既存の秘密鍵をインポートする場合には、その秘密鍵に関連付けされた証明書も Monaca へアップロードする必要があります。詳細は、 ステップ 2 : 秘密鍵と証明書の Monaca へのインポート をご確認ください。

3. 秘密鍵の作成後、その秘密鍵に関連付けされた CSR ファイルも同時に作成されます。次に、エクスポート ボタンをクリックして、この CSR ファイルをダウンロードします。このファイルは、後ほど、Apple Developer Program で証明書を発行するときに使用します。

4. 「 証明書の作成 」 の内容に従い、Apple Developer Program で証明書を作成して、ダウンロードします。

5. 「 プロビジョニング プロファイルの作成 」の内容に従い、Apple Developer Program でプロビジョニングプロファイルを作成して、ダウンロードします。

6. 証明書とそれに対応するプロビジョニング プロファイルを、Monaca クラウドへアップロードします。

Monoaca のビルド設定上では、証明書とそれに対応するプロビジョニングプロファイルを、複数個、アップロード・保管しておくことができます。

ステップ 2 : Apple Developer Program 上での iOS アプリ設定

  1. Apple Developer ページ へ行き、Account をクリックします。

  2. Apple Developer Program に登録した、Apple IDとパスワードを使用して、サインインします。このプログラムに未登録の場合には、こちらで登録します。

  3. Certificates, Identifiers/IDs & Profiles へ行き、次のページを表示します。

4. このページ上で行う処理は、次のとおりです。

証明書の作成

Apple Developer Program では、2 種類の証明書を発行できます。

  • 開発用証明書 : デバッグビルドを行うときに、必要となります。

  • 配布用証明書 : リリースビルドまたは Ad Hoc

    ビルドを行うときに、必要となります。

CSR ファイルのダウンロード後 ( iOS のビルド設定 を参照のこと )、Apple Developer Program で証明書を発行して、ダウンロードします。

開発用証明書の発行とダウンロードを、次の手順で行います。

  1. Certificates 項目を選択します。

  2. 追加ボタン 「+」 をクリックします ( 下のスクリーンショットを参照のこと )。

3. iOS App Development を選択し、Continue ボタンをクリックします。

配布用の証明書を発行する場合には、 App Store and Ad Hoc を選択します。

4. Continue ボタンをクリックし、Monaca クラウド IDE からダウンロードした CSR ファイル をアップロードします。次に、Generate ボタンをクリックします。

5. 開発用証明書の発行が、これで完了しました。発行された証明書をダウンロードします ( 後から、Monaca クラウド IDE にアップロードします )。

配布用証明書をインポートする場合も、ほぼ同様の手順です。

App ID の登録

App ID は、開発用と配布用のプロビジョニング プロファイルの作成時に、主に、使用します。Wildcard App ID ( 複数の アプリで共通 ) または Explicit App ID ( アプリを識別する、一意の Bundle ID と一致 ) を作成できます。

App ID の登録を、次の手順で行います。

  1. Identifiers 項目を選択します。

  2. 追加ボタン 「+」 をクリックします ( 下のスクリーンショットを参照のこと )。

3. App ID は、「.」 で区切られた、2 つの文字列 ( Prefix と Suffix ) で構成されています。次の内容を参考にして、App ID の情報を入力します。

  • App ID Description : App ID の説明を入力します。「 @、&、*、'、" 」 などの特殊文字は使用できません。

  • App ID Prefix : Team ID となります ( デフォルト )。

  • App ID Suffix : アプリを識別するための Bundle ID となります。App ID Suffix には、次の 2 種類があります。

    データ      

    説明

    Explicit App ID

    Game Center、In-App Purchase、Data Protection、iCloud などのサービスを、アプリで利用する場合、または、あるアプリ専用のプロビジョニング プロファイルが必要な場合、Explicit App ID を登録します。この場合、アプリの Bundle ID と一致する文字列を、Explicit App ID の Bundle ID 欄に入力します。指定する ID は、Monaca クラウド IDE 上で設定した App ID と同じものである必要があります ( iOS アプリの設定 )

    Wildcard App ID

    複数のアプリのビルドとインストールに、1 つの App ID を使用したい場合、Wildcard App ID を登録します。この場合、最後の文字がアスタリスク ( * ) になるように、Bundle ID を入力します。

  • App Services : アプリ上で使用したいサービスを選択します。

4. Continueをクリックします。App ID の登録内容を確認して、Submit をクリックします。ここまでの手順で、Apple Developer Program への App ID の登録が完了しました。

開発用端末の登録

開発用と配布用のプロビジョニング プロファイルを作成する前に、開発用の端末を登録する必要があります。

アプリ開発時に使用する端末を、次の手順で登録します。

  1. Devices 項目を選択します。

  2. 追加ボタン 「+」 をクリックします ( 下のスクリーンショットを参照のこと )。

3. 端末の情報を入力します。

  • Name : 端末を識別するための名前を入力します ( 例 : MyiPhone )

  • UDID : 端末固有の識別コードです。UDID は、コンピューターに iOS 端末を接続して確認できます。macOS の場合は、システム情報の シリアル番号 から、Windows の場合は、デバイスマネージャーの デバイス インスタンス パス から確認できます。( 下のスクリーンショットを参照のこと )。

4. 入力後、Continue をクリックします。次の画面で入力情報を確認して、Register をクリックします。Apple Developer Program 上での開発用端末の登録は、これで完了です。

プロビジョニング プロファイルの作成

アプリのビルドの最終工程として、プロビジョニング プロファイルを作成します。プロビジョニング プロファイルには、次の2種類があります。

  • 開発用 プロビジョニング プロファイル : デバッグビルドを行うときに、開発用証明書と共に使用します。

  • 配布用 プロビジョニング プロファイル : Ad Hoc または配布 ( 実稼働 ) 用ビルドを行うときに、配布用証明書と共に使用します。

開発用 プロビジョニング プロファイルを、次の手順で作成します。

  1. Profiles 項目を選択します。

  2. 追加ボタン 「+」 をクリックします。

3. iOS App Development を選択し、Continue ボタンをクリックします。

  • Ad Hoc ビルド用に、配布用 プロビジョニング プロファイルを作成する場合には、Ad Hoc を選択します。

  • リリースビルド用に、配布用 プロビジョニング プロファイルを作成する場合には、App Store を選択します。

4. 対象の App ID を選択して、Continue ボタンをクリックします。

5. このプロファイルに紐付けする証明書を選択して、Continue ボタンをクリックします。

6. 先ほど登録した開発用の端末を選択して、Continue ボタンをクリックします。

7. プロビジョニング プロファイルの名前を入力して、Generate ボタンをクリックします。

8. 開発用 プロビジョニングプロファイルの準備が完了しました。プロファイルをダウンロードします。後ほど、Monaca上で、iOS アプリをビルドするときに、このファイルを使用します。

配布用 プロビジョニング プロファイルの作成も、ほぼ同様の手順で行えます。

ステップ 3 : アプリのビルド

  1. Monaca クラウド IDE のメニューから、ビルド → iOS アプリのビルドを選択します。

  2. 目的に応じたビルドの種類を選択して、ビルドを開始する ボタンをクリックします。

3. ビルドが完了するまで、しばらく待ちます。ビルドが成功した場合には、次のような画面が表示されます。ビルドの完了後、ビルド済みアプリをインストールまたはダウンロードできます。

macOS Catalina 10.15 以降でシミュレーターを使用している場合は、アプリ実行前にターミナルで下記のコマンドを実行する必要があります。

  • すべてのアプリケーションを許可を有効

sudo spctl --master-disable 設定を戻す場合は、下記のコマンドを実行します。

  • すべてのアプリケーションを許可を無効

sudo spctl --master-enable

最終更新